3〜5万円
広告コピー単体チェックの相場
依頼先・ボリュームで変動
10〜30万円
商品ページ一式(ECストア)の相場
カテゴリ・点数による
30万円〜
キャンペーン全素材の法務レビュー
法律事務所依頼の場合
月額制
継続チェック契約(5〜20万円/月)
量が多い企業に有利

1. 広告表現チェックとは何か

中国向けの広告・商品ページ・SNS投稿素材が、中国広告法・薬品管理法・食品安全法などの規制に違反していないかを確認するサービスです。単なる誤字脱字チェックや日本語→中国語の翻訳とは根本的に異なり、中国の法令・行政規定・プラットフォームポリシーに照らした法的妥当性の確認が本質です。

チェック対象となる主な素材

  • 天猫・JD・拼多多などECプラットフォームの商品タイトル・説明文・画像テキスト
  • 小紅書・抖音・WeChat公式アカウントの投稿原稿・KOLへの依頼ブリーフ
  • ライブコマースのトークスクリプト・バナー・サムネイル
  • 越境EC専用サイト(Tmall Global・京東国際)の商品詳細ページ
  • 中国向けデジタル広告(ディスプレイ・検索・動画)のクリエイティブ
  • パッケージ・ラベル表記(中国語版)

2. 依頼先の種類と費用相場

大きく分けて3種類の依頼先があります。それぞれ得意領域・費用水準・対応スピードが異なるため、自社の状況に合わせた選択が必要です。

① 中国法専門の法律事務所

最も確実な選択肢ですが、費用は最も高くなります。中国広告法の条文解釈・当局の執行事例・業界別の特別規定まで踏まえた法的意見書を提供できます。医薬品・化粧品・健康食品など規制が特に厳しい分野や、大型キャンペーンの事前審査に向いています。

サービス内容費用目安納期
広告コピー単体のスポットレビュー5〜15万円3〜5営業日
商品ページ一式の法的レビュー(5〜10商品)20〜50万円1〜2週間
キャンペーン全素材の事前審査+意見書50万円〜2〜4週間
月次顧問契約(相談無制限+月次チェック)20〜50万円/月随時

② 中国マーケティング専門エージェンシー

天猫・小紅書・抖音などのプラットフォーム運用経験を持つエージェンシーが、広告法チェックをオプションサービスとして提供しているケースが増えています。法律事務所ほどの厳密な法的解釈はできませんが、プラットフォームの審査基準・実際の運用実態に即したチェックが強みです。

サービス内容費用目安特徴
広告コピーチェック(10点まで)3〜8万円プラットフォーム審査基準込み
商品ページ全体のコンプライアンスチェック10〜20万円修正案の提示まで対応可
月次チェック契約(素材数上限あり)5〜15万円/月継続依頼で割引あり

③ 中国語翻訳会社(法務チェック付きプラン)

翻訳と広告法チェックをセットで提供する翻訳会社も存在します。ただし、翻訳者の中国法に関する専門知識には大きな差があり、「翻訳は正確だが法的リスクのある表現がそのまま残った」というケースが報告されています。費用は最も低いですが、依頼前に「どの法令に基づいてチェックするか」を必ず確認してください。

サービス内容費用目安注意点
翻訳+基本的な広告法チェック2〜5万円チェック深度・根拠法令を確認
翻訳+法務チェック強化プラン5〜12万円法律専門家の監修があるか確認

3. カテゴリ別の注意点と費用の差

チェック費用は商品カテゴリによっても大きく変わります。規制が複雑なカテゴリほど確認すべき法令が増え、専門知識が必要になるため費用が上がります。

商品カテゴリ主な適用法令チェック難易度
一般消費財(日用品・雑貨)広告法のみ低〜中
化粧品・スキンケア広告法+化粧品監督管理条例+NMPA規定中〜高
食品・サプリメント広告法+食品安全法+保健食品管理弁法中〜高
医薬品・医療機器広告法+薬品管理法+医療機器広告審査弁法高(事前審査が原則)
乳幼児用品・育児用品広告法+乳幼児向け広告特別規定中〜高
金融・保険・不動産広告法+各業種特別法

4. 月次契約と都度依頼、どちらが得か

中国向けに継続的に広告・EC運用を行う企業であれば、月次チェック契約の方が総コストを抑えられます。目安として、月に10点以上の素材チェックが発生する場合は月次契約を検討する価値があります。

月次契約が向いているケース

  • 天猫・JDなどECストアを常時運営しており、定期的に商品説明・バナーを更新している
  • 小紅書・抖音での投稿を月10件以上運用している
  • KOLへの依頼ブリーフを毎月複数作成している
  • 季節キャンペーンごとに大量の広告素材を制作している

都度依頼が向いているケース

  • 中国展開の初期段階で、素材数がまだ少ない
  • 年1〜2回の大型キャンペーン時のみチェックが必要
  • 特定の商品カテゴリ(医薬品など)で高度な法的意見書が必要

5. 依頼先を選ぶ際の確認事項

費用だけで判断すると「安かったが役に立たなかった」という結果になりがちです。依頼前に必ず以下の点を確認してください。

依頼前の必須確認事項

  • どの法令に基づいてチェックするか:「中国広告法に準拠」とあっても、薬機・食品安全法などの特別規定まで見ているか確認する
  • 修正案まで提示してもらえるか:「違反あり」の指摘だけで終わるか、「このように修正してください」まで対応するか
  • プラットフォームの審査基準も踏まえているか:天猫・小紅書はそれぞれ独自の審査ルールを持っており、法令適合だけでは通らないことがある
  • 担当者の専門性:法律事務所であれば中国法弁護士が対応するか、エージェンシーであれば法務専任担当者がいるか
  • 対応言語と納品形式:日本語でのフィードバックか、指摘箇所が明確に分かるフォーマットか

6. 社内チェック体制の構築コストとの比較

外部委託ではなく、社内に中国広告法に詳しい担当者を育成・採用するという選択肢もあります。ただし、中国の法令は頻繁に改正されるため、継続的なアップデートが必要です。

現実的な落としどころとして、「日常的な軽微なチェックは内製、新商品ローンチや大型キャンペーンは外部専門家に依頼」というハイブリッド体制をとる企業が増えています。内製するにしても、最低限の知識習得のための研修費用(10〜30万円程度)は必要です。

費用対効果の考え方

  • 中国広告法違反の罰金は広告費の3〜5倍が基本。10万元の広告を打って違反すれば30〜50万元(約600万〜1,000万円)のリスクがある
  • 天猫・抖音などのプラットフォームから出品停止・アカウント凍結を受けた場合の機会損失は罰金を大きく超えることも
  • チェック費用は保険料と同様に捉え、売上規模・中国市場への依存度に応じてレベルを設定することが合理的
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関連記事:中国広告法の基本と違反事例
費用の前提となる中国広告法の全体像・罰則・適用範囲について詳しくは別記事で解説しています。